買い手が見ている6つの評価ポイント。
財務数値のほかに、継続性、再現性、引継ぎやすさ、商流、契約条件、属人化の度合いを確認します。
1. 継続収益
保守、運用、監視、月額契約の比率と更新率。
2. 顧客基盤
地銀、自治体、製造業、医療/介護などの業種分散、取引年数、主要顧客への依存度。
3. 技術領域
クラウド、ERP、業務システム、インフラに加え、AS/400、COBOL、VB.NETなど既存保守の強み。
4. 人材体制
PM/PL、アーキテクト、若手育成、外注活用。
5. 契約と権利
ソースコード権利、再委託、請負・準委任等の契約形態とSES・常駐支援の実態、個人情報、SLA、検収、契約不適合責任。
6. PMIのしやすさ
社長依存度、ナレッジ化、顧客説明の難易度。
地域SIerでは、数字に出にくい信用も評価対象です。
地場顧客との取引継続、保守対応の安定性、再委託先との関係、古い基幹システムを守れる技術者の存在は、買い手にとって重要な判断材料です。
買い手に伝わる資料へ変換します。
技術用語の羅列ではなく、譲受後に売上が維持できる理由、体制が引き継げる理由、追加成長の余地を資料化します。顧客別売上、案件別粗利、保守一覧、障害対応履歴、契約台帳まで買い手目線で整理します。
案件ごとに資料を突き合わせる
SIerの売却準備では、契約台帳と現場の説明を案件番号で結びます。進行中の開発案件と継続保守を分け、営業・PM・経理・技術責任者が、次の資料の食い違いを確認しましょう。
表が画面に収まらない場合は、横にスクロールして確認できます。
| 確認する項目 | 突き合わせる資料 | 残しておく確認事項 |
|---|---|---|
| 契約と追加作業 | 基本・個別契約、注文書、仕様変更の合意記録 | 請負・準委任等の契約形態、完了・報告条件、未合意の追加作業、契約変更時の承諾等の要否 |
| 進行中案件の金額 | 案件台帳、進捗・検収記録、原価明細、請求・入金記録 | 計上済売上と請求・回収状況の違い、未完了作業にかかる原価の見込みと算定根拠 |
| 常駐・協力会社の体制 | 担当表、個別契約、再委託の承認記録 | 自社と協力会社の役割、業務指示・勤怠管理の担当、契約更新、交代時の連絡・手順 |
| ソースコードと利用権 | 権利条項、リポジトリの管理記録、製品・OSSの一覧 | 顧客・自社・第三者の権利を区分し、利用・改変・再配布の条件、保守に必要な権限を確認 |
| 保守の引継ぎ | 保守契約、障害履歴、運用手順、アクセス権の一覧 | 未解決障害、対応時間、一次窓口と代替担当、権限を切り替える時期 |
例えば、進行表に追加改修があるのに注文変更の記録が見つからない場合は、合意の有無、請求予定、残作業を確認します。数字だけを合わせず、説明の根拠と未確認事項を残すことが大切です。
資料が未整理なら、重要な案件から「資料の所在・確認担当者・次に確認する日」を記入します。OSSはオープンソースソフトウェアのことです。部品とバージョンをまとめたSBOMがある場合は、利用条件や脆弱性対応の確認にも役立てます。
契約・権利の承継や会計処理は、取引方式、契約内容、適用基準に応じて専門家へ確認します。顧客情報やソースコードは、顧客との契約と自社の権限を確認し、開示先・目的・範囲について譲渡企業様の了承を得て取り扱います。本番データやパスワードを初回相談で送る必要はありません。
顧客から預かったデータや個人情報を含む資料は、DDでの共有範囲と終了時の扱いも合わせて整理します。
会社名を出す前に、譲渡可能性だけ確認できます。
売却を決めていない段階でも、会社名を入力せずに相談できます。初回は資料提出不要です。事業の概要と残したい条件を、話せる範囲から整理します。候補先への開示は、相手と範囲を事前にご相談します。
譲渡企業様が当センターへ支払う相談料・着手金・中間金・月額報酬・成功報酬は0円です。登記、税務・法務、買収監査等を外部専門家へ依頼する費用、公租公課、その他の実費は対象外です。支援範囲と費用の負担は契約前に確認します。